この連載について

Gemini や Google の AI は、チャット画面で使うぶんには説明が要りません。分からなくなるのは、自分の基板・自分のツール・自分のデータにつなごうとした瞬間です。API キーはどこに置くのか、無料枠はどこまでか、このモデル名は来月も存在するのか、Raspberry Pi で動くのか、Google Home にどう届くのか。

そういう疑問を 1 回に 1 つだけ取り出して、一次ドキュメントを読み、実際に手を動かし、返ってきた出力と費用をそのまま書く。 それだけをやる連載が 「Google AI 実験室」 です。「IC実験室」で部品を 1 個ずつ味わったのと同じやり方を、Google の AI に向けます。

製品の改名・廃止・値上げが速い領域なので、記事に書く製品名・モデル名・料金は、その日の一次ドキュメントで確認したものだけです。読んだ URL と取得日は毎回「参考」に残します。半年後に読み返したとき、「何が変わったか」を差分で追えるようにするためです。

毎回やっていること

flowchart LR A["① 一次ドキュメント
を読む"] --> B["② 準備
キー・端末・費用"] B --> C["③ 手を動かす
コード・画面・実機"] C --> D["④ 実出力・実測
ログ・JSON・数値"] D --> E["⑤ 分かったこと
費用と限界"]
📌 この連載の3つの約束
  • 一次ドキュメントにあたる。 ai.google.dev・developers.google.com・labs.google の当日版を読み、URL と取得日を記事に残します。「ネットで見た無料枠」は使いません。製品名・モデル名は その日に存在するもの だけを書き、改名・廃止があったものには「旧〜」を添えます
  • 手を動かした結果だけを書く。 実際に叩いたコマンド、返ってきた JSON、かかったトークン数と円を載せます。ドキュメントに書いてあるだけの機能は「未検証」と分けます
  • うまくいかなかったことも書く。 404 になったモデル、レート制限、端末要件で動かなかった話は、そのまま記録します。次に世代交代が来たときの備えになります

📚 収録記事一覧

# 題材 種別 この回で分かること
#1 準備編:AI Studio で記事専用プロジェクトを作り、API キーを発行して Gemini を最初に呼ぶまで API(PC のみ・Tier 1) Gemini API/AI Studio/Cloud プロジェクト/キーの関係。Google AI Pro と API 課金は別物。無料枠は投げた内容が製品改善に使われるので、既存の課金アカウントに紐づけて Tier 1 で始める理由(新規なら最低 $5 のプリペイ)。キーを .env にだけ置く仕組み。uv + Python 3.12 + google-genaigemini-3.8-flash に最初の 1 発、構造化出力、トークン数、2027-01-01 の単価改定
#2 データシート QA:Gemini にデータシート PDF を読ませ、IC実験室の実測値で採点する(2SC1815・NE555N) API(PC のみ・Tier 1) PDF は「ページ画像(Gemini 3 の既定で 560 トークン/ページ・課金)」と「埋め込みテキスト(課金されない)」の 2 経路で読まれる。Interactions API に PDF をインラインで渡し、値・単位・条件・引用・ページを構造化出力で返させ、引用を pypdf で PDF 本文と照合して根拠の有無を機械判定。人間が読んだ値/PDF なし/PDF あり/実測の 4 列で 14 項目を採点し、PDF ありは 14 項目すべてが一致か「規定なし」の正答、PDF なしは東芝版・バイポーラ版という「別の部品の正しい値」が 14 項目中 9 項目で出た。費用は 4 回の呼び出しで 19,606 トークン・約 8 円($0.052)
🗓️ 連載は 2026 年 9 月に始まりました

2 本目まで公開しています。それぞれの回は独立して読めますが、API を使う回は #1 で作った環境(記事専用プロジェクト・.envgoogle-ai-lab リポジトリ)をそのまま使うので、最初に #1 を通しておくと以後の回のコードがそのまま動きます。#2 は IC実験室 #4・#5 の実測値を採点の基準に使っています。

どの回から読むか迷ったら

こんな人 おすすめ
Gemini API をこれから初めて触る #1 準備編 の最初から。キーの発行と置き場所、無料枠の規約まで一度通してください
Google AI Pro に入っていて「API も込みのはず」と思っている #1 準備編 の「Google AI Pro との関係」。別会計であることを一次ドキュメントで確認しています
すでに API を使っていて、Interactions API への移行や store の意味を知りたい #1 準備編 の「使い方 2:Python から呼ぶ」
AI にデータシートを読ませて、どこまで信じてよいか知りたい #2 データシート QA。引用を返させて pypdf で照合する型と、IC実験室の実測との 4 列比較。PDF を渡すと 14 項目一致、渡さないと「別の部品の正しい値」が出る

🔭 次に試すもの

次に扱うテーマは決めていません。 これは IC実験室と同じ設計です。「入門者向けに体系立てた 12 回」にすると、Google 側の世代交代や新しい実験(labs.google)が来たときに扱えなくなります。

実際に選ぶ基準は、だいたい次のどれかです。

  • 今日から個人が触れるもの — 待機リストや法人契約が要るものは、触れるようになってから
  • 費用が実測で示せるもの — 記事専用の課金プロジェクトで回し、実測トークン数と公式単価から実費を書ける。高くつく回(画像・動画生成、Pro 系)は、タイトル近くにその旨を明記した上で
  • 手元の実機や既存の自作物とつながるもの — IC実験室のデータシート、自宅センサー基盤、AI タスクボード、スタックチャン、ESP32-S3 基板。Gemini を「チャット」ではなく「部品」として使える題材を優先します
  • 一次ドキュメントが公開されているもの — 仕様が読めないものは、実測しても再現性が担保できないので後回しにします

つまり、終わりのない連載です。Google の AI が増えたり入れ替わったりする限り続きます。

💡 扱ってほしいテーマのリクエスト

「これを Gemini でやってみてほしい」という要望があれば歓迎します。費用が小さく、結果が数値やログで見えるものだと記事にしやすいです。


🛠️ 使っているもの

毎回そろえ直す必要はありません。多くの回は PC だけで追えます。 費用は各回で実測して書きます(記事専用の課金プロジェクト・プリペイ)。実機を使う回は、その記事の冒頭で必要なものを明記します。

種類 使っているもの 用途 必須度
アカウント Google アカウント(18 歳以上) AI Studio・Gemini API・各実験のログイン ★★★ 必須
サービス Google AI Studio(無料) キーとプロジェクトの管理、画面での実験 ★★★ 必須
サービス Gemini API の記事専用プロジェクト(Cloud Billing 有効・Tier 1・プリペイ) 記事用に新規作成。Paid Service なので投げた内容は製品改善に使われない。それでもキー・個人情報は投げない ★★★ API を使う回で必須
サブスク Google AI Pro(¥2,900/月) AI Studio の画面内クォータ拡大、Gemini Notebook、Google Home Premium など。API 課金とは別物で、未加入でも API の回は追えます(Developer Program の月 $10 クレジットは課金プロジェクトに充当) ★☆☆ 無くてよい
PC Windows 11 のデスクトップ PC Python(uv + 3.12)、Antigravity CLI などのローカル実行 ★★★ 必須
小型 Linux Raspberry Pi 5 Gemma をローカルで動かす回、常時稼働のスクリプト ★★☆ その回だけ
スマホ Pixel 9 Android の端末内 AI(Gemini Nano・AI Edge Gallery)、Google Home アプリ ★★☆ その回だけ
ウェアラブル Pixel Watch 音声入力・通知まわりを試す回 ★☆☆ その回だけ
サーバー Ubuntu サーバー(自宅・Docker) MQTT・InfluxDB・Grafana など既存の自宅センサー基盤との接続 ★★☆ その回だけ
スマートスピーカー Google Home スピーカー(Thread 1.3 ボーダールーター・Matter ハブとして動作) Gemini for Home、Matter で自作デバイスを Google Home に載せる回 ★★☆ その回だけ
マイコン ESP32-S3 の自作基板 センサー・赤外線リモコン・Matter デバイス側 ★★☆ その回だけ

費用は毎回「その回で使ったトークン数と円」を本文に書きます。記事専用の課金プロジェクトで回すので、AI Studio の「利用額」(Spend)でこの連載の分だけを切り出して読めます。 高くつく回(画像・動画生成、Pro 系)は、タイトル近くの枠で先に知らせます。


この連載の読み方

各記事は、おおむね次の順番で進みます。

  1. はじめに — 何を試すか、分かること、所要時間と費用を先に
  2. 〜とは — 製品名の 2026 年時点の位置づけ、無料枠、改名・廃止の注記。この節は毎回入れます
  3. 準備 — アカウント・キー・端末・インストール。キーの置き場所は .env、記事にはダミーだけ
  4. 手を動かした記録 — コマンド・コード・スクショ。失敗と回り道もそのまま
  5. 実出力・実測 — 生ログ・JSON・表。ドキュメントの値と実測値は分けて書きます
  6. 分かったこと/所感 — 事実と意見を分けて
  7. 費用 — 実測トークン数・円換算(¥159.4/$)・AI Studio の使用量/利用額での確認。2027 年 1 月 1 日の Flash 単価改定も毎回注記
  8. できないこと・確認していないこと/まとめ/FAQ/関連記事/参考

コードは全文を載せ、GitHub の google-ai-lab に同じものを置きます。 記事のコードとリポジトリのコードは一致させます。


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